いまさら股旅

本やCDは新刊新譜では飛びつかないのね。
いや、ヒネくれてるからさ、平積みイチオシに
ソッポ向いちゃうからね、この本も1年遅れで
やっと読みました、書籍は一気に読みたいので
つーか止めると止まっちゃうので、一気読み。
この本もひと晩で読めちゃった読み易さでし。


股旅フットボール

股旅フットボール


まず、最初に写真のキレイさ、レイアウトに
おぉ!と思たなぁ、縁ナシの写真のインパクト。
切り取られて貼られた”写真”ではなく著者の
記憶にある残像なのかな?と感じさせる写真。
文章の途中にいきなり記憶としての静止画が
飛び込んでくるよーな写真のレイアウトだなぁ。


で、本編を読んでの感想は、地域リーグJFLを
含めて、いや日本リーグ時代から企業チームが
好きなワタシとしては、チト物足りなさが残った。
地域リーグのチームそれぞれにこの一冊くらい
エピソードがいっぱいあるのだと思うからソレも
気になってきたかな。股旅を続けて欲しい。


生まれ育った地元がJリーグオリジナル10の
チームを抱えてた自動車メーカー地方工場の
隣町でね、自分もその下請けに勤務してたし、
企業チームには思い入れがあるからねぇ。
元々、日本リーグ時代からサッカー観始めて
クラブチームより企業チームが当たり前でね
Jの理念で地域密着のクラブとか謳われて、
企業名の排除とか、某キャプテン職の方が
アピールされてたけども、企業もその地域の
社会のひとつであって企業城下町ってのは
地域のコミュニティとしての繋がりは強いと
思うんだな、実感として同じ企業の仕事を
しているという共同体の意識は地域密着の
基盤になてると確信する。だから勤務先の
チームを応援するのも、地域密着型の市民
クラブの応援と同じなんだと思うんだけどね。
ウチの町のチームもウチの会社のチームも
同じ共同体への帰属なんじゃないのかと思う。
その会社組織の業績にチームの存続が左右
されるリスクをJの付く場所へ行かないという
(限られた予算でチームを運営するという)
選択をする事で回避できるならソレもアリだろ
と思うワケで、JFLのチームには日本リーグ
面影を感じてたりして、チームは強化するけど
Jには行かないよ!ってプライドも感じてたり。
できればそういった企業チームの背景とかも
股旅で垣間見たいので、また股旅って続編とか
書いて欲しいなぁとか思うのだな。(無理だろな)


ほぼ地元のJFL所属ニューウェーブ北九州
将来のJリーグ入りを目指しているみたいで、
でも人口減少高齢化率の高さとか、市の財政の
状況で行政のバックアップを得られるのかとか、
傍から見ててもJへのステップを登れば確実に
理想に近づくとは限らないだろうとの危惧はある。
でも地域密着市民クラブとしては、何かしらの
目標と結果は必要なんだろうから難しいわなぁ。
ニューウェーブは相応の熟れたサッカーだと思う、
サッカーだけなら上を目指せるけども、だから
Jリーグに上がれば幸せになれるかどうかは、
保証されないんじゃないかな、そういった現実は
”Jリーグ100年構想”のリスクとして、覚悟して
挑まなければならないのが地域リーグからの
ステップアップなんだろうと思たな、厳しいなぁ。


今週末に地上波NHKローカル(北九州)で
JFLリーグ戦のニューウェーブの中継が有る。
最近の地上波では全国のJ1もローカルの地元
J2も中継は稀になってきて、サッカーを観られる
機会が減ってる中で、地元ローカルの強みなのか
時々、JFLの中継をやってくれるNHK北九州。
Jリーグに昇格するとかそんなことだけではなくて
こういった地元のチーム(サッカーだけでなくて)の
試合をカテゴリに関わらず中継したりサポートしたり
するのが、地域密着自分らのチームへ愛情であり、
存続への足場なんじゃないのかなぁ?とか思うね。
地域に有り続ける為に、あえて上を目指さないって
選択にも誇りを持っていいんじゃないかな。


将来的にJFLがJ3になるのなら、アマチュア
チームはどうなるのか?JFLというアマチュア
受け皿は残して欲しい、地域リーグでJを目指す
チームとアマチュアのままでJFLを目指すチーム
という選択を出来れば、選手の受け皿も多様化
するんじゃないかと思うけども、景気に左右される
企業アマチュアチームだけの全国リーグは衰退の
加速度も凄まじいのかもしれないな、難しいねぇ。
でも牧歌的なサッカーもあって良いじゃんねー。


地域リーグのチームの実情とかJFL昇格への
長い戦い、地域決勝の過酷なレギュレーション、
Jリーグという夢の大きさ厚い障壁、いろいろと
考える内容の紀行本だったよーに感じたかな。
企業チームの内実をもっと垣間見たいなぁと、
そんな感想を持って読破しちゃいましたわん。


宇都宮さんはサッカーキャストでお声を拝聴
してたので、読んでるってより語りを聞いてる
というカンジで読めたのもよかったかもね。


ちなみに1年前のサッカーキャストで著者の
宇都宮さんがこの本の解説をされてました。
 サッカーキャスト 第26回後半
 「次の日本代表と『股旅フットボール』」